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保健指導で高血圧パラドックスの解消へ

保健指導で高血圧パラドックスの解消へ

保健指導の現場の疑問に答える

編著:菱田 明・伊藤 貞嘉・熊谷 勝子

判型 A4
頁数 152
発行 2020年4月

ISBN 978-4-88563-721-6

定価:2,200円(税込)在庫有り
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目次

第1章 高血圧パラドックスの解消
SUMMARY
1章‒1 高血圧治療実態の年次推移(1980 ~ 2016年)
1章‒2 血圧が適正に管理されている割合
1章‒3 特定健診結果にみる「高血圧パラドックス」の実態
1章‒4 高血圧住民アンケート
1章‒5 高血圧かかりつけ医アンケート
自主研保健師の実践紹介 保健師の立場から高血圧パラドックス解決に取り組む
特別寄稿1 特定健診・保健指導と地域医療連携で高血圧を減らす(矢島 鉄也)
第2章 高血圧とは―高血圧の診断基準はどのように決まるか―
SUMMARY
2章‒1 血圧と脳心血管病発症リスク
2章‒2 高血圧基準と血圧値の分類
2章‒3 血圧は常に変動している
2章‒4 運動時の血圧の変化
2章‒5 血圧の日内変動
2章‒6 血圧の季節変動
2章‒7 血圧測定法(診察室血圧)
2章‒8 家庭血圧
Q&A 2‒1 「測るたびに血圧は変わる。どれが本当かわからないので高くても気にしない」という声にどう対応するか?
Q&A 2‒2 「 血圧が望みの範囲に下がるまで測って記録する」という住民にどう対応するか?
Q&A 2‒3 なぜ,家庭血圧がこれほど大切にされるようになったのか?
Q&A 2‒4 家庭血圧の測定が,「起床後1時間以内,排尿後,朝の服薬前,朝食前,座位1 ~ 2分安静後」とされているのはなぜか?
Q&A 2‒5 「家庭で測った血圧と病院で測った血圧が違うのは,家の血圧計が壊れているからか?」と相談されることがあるが,どう考えるか?
私の工夫 「測るたびに血圧は変わるから気にしない」と言われたら(宮崎 正信)
家庭血圧測定がうまくいくコツ(磯崎 泰介)
家庭血圧測定のすすめ方(宮崎 正信)
「血圧が望みの値になるまで測る」と言われたら(宮崎 正信)
Q&A 2‒6 新聞配達の人や3交代勤務の人などではいつ家庭血圧を測定すればよいか?
Q&A 2‒7 冬場には実際どれくらい血圧が上昇するものか? また季節変動として許される範囲はどの程度か?
自主研保健師の実践紹介 「高血圧と判断されたこと」を理解してもらうために
第3章 なぜ高血圧になるか
SUMMARY
3章‒1 血圧を決めている要因
3章‒2 高血圧の原因
3章‒3 食塩摂取の少ない民族では加齢による血圧上昇がおこらない
Q&A 3‒1 「年をとっているから血圧が高くて当たり前」という考え方は正しいか?
Q&A 3‒2 遺伝はどこまで高血圧に関与するか?
Q&A 3‒3 緊張やストレスが血圧を上昇させる仕組みとは? その対処法はあるか?
Q&A 3‒4 若年者と高齢者の高血圧の違いは何か?
私の工夫 私はこんな風にお話ししています(木村 健二郎)
私はこんな風にお話ししています(宮崎 正信)
私はこんな風に高血圧患者さんを診ています(磯崎 泰介)
自主研保健師の実践紹介 高血圧の状態を理解してもらうために
第4章 白衣高血圧とは
SUMMARY
4章‒1 白衣高血圧とは
4章‒2 白衣高血圧者であることの危険性
4章‒3 特定健診での白衣高血圧の扱い方
4章‒4 仮面高血圧とは
Q&A 4‒1 家庭血圧が低ければ,本当に血管への影響はないのか?
Q&A 4‒2 緊張による血圧上昇は長期的にみても,臓器障害をおこす問題がないか?
Q&A 4‒3 「急いで病院に来た」,「今日は寝不足」は高血圧の理由として正しいか?
Q&A 4‒4 白衣高血圧の可能性が高い住民への受診勧告の仕方はどうすればよいか?
私から一言 診察室血圧が高い場合の対処法(磯崎 泰介)
自主研保健師の実践紹介 血圧は1回の測定で判断できないことを理解してもらうために
第5章 高血圧で困ること
SUMMARY
5章‒1 高血圧の持続で血管が障害される理由
5章‒2 高血圧による心臓や血管の障害は検査で実感できる場合がある
5章‒3 糖尿病も,症状がない期間が長く続いた後に脳卒中や腎不全を発症する
5章‒4 「高血圧と脳心血管病」関連の疫学
5章‒5 高血圧は脳卒中,心筋梗塞,血管性認知症の発生頻度を増加させる
5章‒6 高血圧は慢性腎臓病(CKD)発症の確率を高める
5章‒7 高血圧は要介護(寝たきり)や死亡の主要な原因
5章‒8 収縮期血圧と拡張期血圧は,どちらも脳卒中死亡率に影響する
5章‒9 喫煙,糖尿病,脂質異常症などを合併する高血圧と心筋梗塞発症率
Q&A 5‒1 高血圧管理の重要性を認識してもらううえでのポイントは何か?
私の工夫 高血圧管理への動機付けの工夫(磯崎 泰介)
初めの一歩―背中を押す家族の力―(磯崎 泰介)
狭心症の症状出現と冠動脈狭窄の程度(宮崎 正信)
Q&A 5‒2 「自覚症状がない」ことを理由に治療に消極的なケースへの対応のポイントは?
Q&A 5‒3 「 若い頃から高血圧だが,今まで何もおきていないから気にしない」と言う人にどう対応するか?
Q&A 5‒4 「人にはいろいろ体質があり,自分には高めの血圧が必要」という意見にどう対応するか?
Q&A 5‒5 高血圧にはなぜ自覚症状がないのか?
Q&A 5‒6 収縮期血圧と拡張期血圧のどちらが重要か?
自主研保健師の実践紹介 「高血圧で困ること」を理解してもらうために
第6章 高血圧治療で期待されること
SUMMARY
6章‒1 高血圧治療の目的,降圧目標
6章‒2 降圧による脳卒中や心筋梗塞の減少の程度
6章‒3 降圧により腎機能低下が遅くなり,透析導入が減少する可能性がある
6章‒4 糖尿病の血管合併症発症への降圧の影響(糖尿病の重症化予防はどの程度可能か)
6章‒5 地域での脳卒中の発症に与える降圧の影響
自主研保健師の実践紹介 「高血圧治療の必要性」を理解してもらうために
第7章 高血圧との向き合い方―全体像を理解する―
SUMMARY
7章‒1 高血圧の原因について考える
7章‒2 降圧目標
7章‒3 高血圧以外の心血管疾患の危険因子
7章‒4 健康日本21(第二次)の「循環器に関する目標設定」
7章‒5 生活習慣の修正と薬物療法との関係
7章‒6 高齢者高血圧との向き合い方
Q&A 7‒1 「保健指導では,高血圧の恐ろしさを強調しすぎていないか」と感じることがあるが,どう考えたらよいか ?
Q&A 7‒2 「血圧が下がりすぎるのが心配」という声にはどう答えるべきか?
私の工夫 高血圧の恐ろしさを強調しすぎていないか(宮崎 正信)
血圧の下がりすぎが心配と言われたら(宮崎 正信)
血圧の下がりすぎが心配と言われたら(磯崎 泰介)
自主研保健師の実践紹介 高血圧の治療について簡単に理解してもらうために
第8章 生活習慣の修正―総論―
SUMMARY
8章‒1 生活習慣修正について理解しておきたいこと
8章‒2 生活習慣の修正項目
8章‒3 節酒,禁煙,その他の生活習慣の修正
8章‒4 生活習慣修正によって期待される血圧低下の程度
8章‒5 高齢者の生活習慣修正
8章‒6 特定保健用食品(トクホ)とサプリメント
Q&A 8‒1 生活習慣修正を,どの程度の期間行えばどの程度の降圧が期待できるか?
Q&A 8‒2 「薬を飲んでいるから生活習慣の改善はしなくてもよい」という人にどのように接するか?
Q&A 8‒3 「減量,減塩,運動などの生活習慣修正が難しい住民」に対して,保健指導をどうしたらよいか?
Q&A 8‒4 「生活習慣修正の対象となる点がない住民」への保健指導は何をすべきか?
Q&A 8‒5 「特定保健用食品(トクホ)を摂っているから降圧薬は不要」という人にどう接するべきか?
私の工夫 サプリを飲んでいる患者さんへの対応(宮崎 正信)
患者さん・医療者間の「心理的ギャップ」に配慮(磯崎 泰介)
Q&A 8‒6 民間療法にどれほど降圧効果を期待できるか?
自主研保健師の実践紹介 生活習慣改善へ一歩踏み出してもらうために
第9章 生活習慣の修正―減塩―
SUMMARY
9章‒1 食塩摂取量と血圧
9章‒2 減塩の降圧効果
9章‒3 高血圧で減塩の降圧効果が大きい
9章‒4 食塩摂取量・収縮期血圧・脳出血による死亡の関係
9章‒5 「減塩1 gで血圧1 mmHg低下」の意味
9章‒6 減塩目標値の下限
9章‒7 食塩感受性高血圧
9章‒8 食塩摂取量の評価
9章‒9 減塩を成功させるために知っておきたいこと
9章‒10 減塩を行うためのヒント
自主研栄養士の実践紹介 減塩のヒント
9章‒11 体調不良の日(シックデイ)の減塩
9章‒12 カリウム摂取と血圧
9章‒13 減塩食品
特別寄稿2 減塩食品情報(1)―減塩食品の現状(野村 善博)
特別寄稿2 減塩食品情報(2)―減塩食品の普及拡大(野村 善博)
Q&A 9‒1 「減塩をしたいがどうしたらよいかわからない」という人にどう対応するか?
Q&A 9‒2 自分で料理をしない人に,どのような減塩のアドバイスをするか?
Q&A 9‒3 「減塩食では美味しくない」という人にできるアドバイスは?
Q&A 9‒4 「減塩をすると元気がなくなる」という人にどう対応するか?
Q&A 9‒5 何日くらい減塩すると血圧が下がってくるか?
Q&A 9‒6 減塩している人に熱中症予防のために食塩摂取を勧めるか?
私の工夫 薬の効果は一代限り,減塩の効果は末代まで(今澤 俊之)
減塩のパワー(今澤 俊之)
自主研栄養士の実践紹介 無理のない減塩をすすめるために―見えない塩を見える化する
第10章 生活習慣の修正―肥満対策―
SUMMARY
10章‒1 特定健診におけるBMIと血圧の関係
10章‒2 減量による降圧効果
10章‒3 高血圧治療ガイドライン2019の肥満対策
10章‒4 肥満の原因
10章‒5 減量には食事と運動の自己管理が必要
10章‒6 減量目的の食事療法について
10章‒7 減量の目標
Q&A 10‒1 減量の重要性を認識してもらうための保健指導のポイントは?
Q&A 10‒2 「やせる努力をしているがやせられない」という人にどう対応するか?
私の工夫 減量指導の実際(磯崎 泰介)
第11章 生活習慣の修正―運動―
SUMMARY
11章‒1 高血圧治療ガイドライン2019の運動療法
11章‒2 運動の種類
11章‒3 運動指導の可否の判断
11章‒4 体重コントロールの目的に応じた運動量
Q&A 11‒1 運動をすることに消極的である人に,どのようなアドバイスができるか?
Q&A 11‒2 「 膝が痛くて運動ができない」,「心筋梗塞後なので運動は不安」などにどう対応するか?
Q&A 11‒3 「畑仕事が運動だと思っている」という人にどう対応するか?
私の工夫 運動指導の注意点(磯崎 泰介)
運動をすることに消極的である人へ(安田 千里)
「膝が痛む人」,「心筋梗塞後で運動が不安な人」へ(安田 千里)
畑仕事をされている方へ(安田 千里)
第12章 降圧薬による高血圧治療
SUMMARY
12章‒1 降圧薬に関して理解しておきたいこと
12章‒2 降圧薬の開始,投与量の決定
12章‒3 降圧薬の減量と中止
12章‒4 降圧目標達成には平均3種類の降圧薬が必要
12章‒5 高血圧治療を効果的に行うために(コンコーダンス医療)
Q&A 12‒1 症状がないのに,なぜ降圧薬を飲む必要があるか?
Q&A 12‒2 血圧を測りながら高い日だけ飲めばよいのではないか?
Q&A 12‒3 降圧薬を服用していれば,血圧が多少高くてもよいか?
Q&A 12‒4 高血圧の薬は飲み始めたら一生飲まなければならないか?
Q&A 12‒5 薬が切れてしまったときに血圧が上昇しなかった。薬が必要なくなったと考えてよいか?
Q&A 12‒6 脳卒中や心筋梗塞が心配な年になってから降圧薬を飲めばよいのではないか?
Q&A 12‒7 「 飲んでも血圧が下がらなかったので,自分には血圧の薬は合わないと思う」という人にどう対応したらよいか?
自主研保健師の実践紹介 降圧薬について理解してもらうために
第13章 降圧薬の副作用との向き合い方
SUMMARY
13章‒1 降圧薬のもたらす効果と副作用による不利益とのバランス
13章‒2 降圧薬はどのようにして血圧を下げるか
13章‒3 降圧薬の副作用として訴えられる症状
13章‒4 シックデイ(調子の悪い日)の降圧薬
Q&A 13‒1 副作用を心配し降圧薬を飲まないという声にどう対応するか?
Q&A 13‒2 「降圧薬を飲むとトイレ(尿)の回数が多くなるので,飲みたくない」という人にどう対応するか?
Q&A 13‒3 「降圧薬を飲むと立ちくらみが生じる」という人にどう対応するか?
私の工夫 シックデイの対応(宮崎 正信)
転倒の原因にもなりうる飲酒後の過降圧に注意を(山縣 邦弘)
降圧薬に不安を示す患者さんへの対処法(磯崎 泰介)
自主研保健師の実践紹介 降圧薬の副作用について理解してもらうために
第14章 チーム医療による高血圧重症化予防
SUMMARY
Q&A 14‒1 降圧薬について保健指導をしようとしたら,「医師から降圧薬は飲まなくてよいと言われている」と言われたが,どう対応すべきか?
Q&A 14‒2 健診時の血圧は高値であったが,「医師から薬について何も言われていないので心配する必要がないと思う」という住民にどう対応すべきか?
Q&A 14‒3 「薬代が負担となり通院を中断した」という住民にどのようなサポートができるか?
Q&A 14‒4 地域の保健師と医師が連携できるシステムを構築するには,どのようなことから始めたらよいか?
Q&A 14‒5 地域での高血圧対策におけるポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチについて,どう考えたらよいか?
私の工夫 多職種が参加する学習会の取り組み(成瀬 正浩)
チーム医療を成功させるコツ(磯崎 泰介)
自主研保健師の実践紹介 家庭血圧手帳を介した医療連携
特別寄稿3 チーム医療の推進を―高血圧かかりつけ医アンケートから―(中川 直樹)
付表1 「高血圧住民アンケート」結果
付表2 「高血圧かかりつけ医アンケート」結果
索引