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子どものためのサイコソーシャルアプローチ

子どものためのサイコソーシャルアプローチ

子どものためのサイコソーシャルアプローチ
〜すこやかに育つことばかけ
監修:五十嵐 隆
著者:秋山千枝子・小倉加恵子・阪下和美・田中恭子・山本直美

判型 A5
頁数 102
発行 2020年4月

ISBN 978-4-88563-718-6

定価:2,200円(税込) 在庫有り
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 わが国のこれまでの小児保健・医療の主な課題は時代とともに大きく変わってきました。この数十年間は乳幼児の発育・発達の評価,感染症や気管支喘息などの予防・管理や治療など,身体的課題への対応が主であったといえます。しかしながら,予防接種体制の充実,治療技術の著しい進歩などにより,わが国の子どもの疾病構造は大きく変化しています。一方,社会の大きな変化やスマートフォンに代表されるIT 技術の爆発的な普及などにより,子どもを取り巻く社会環境も大きく変化しています。親の離婚,貧困,いじめなど,子どもをめぐる深刻な問題も増えています。このような社会環境の変化は子どもにきわめて大きな影響を及ぼします(social determinants of health)。その結果,子どもの健康を守り増進する観点から,小児科医のこれまでの診療の基本的姿勢であった疾病などの身体的な課題への対応だけでは不十分な事態になっています。
 わが国のこれからの小児科医や小児医療関係者には,子どもの身体的・心理的・社会的(biopsychosocial)な課題に対して総合的に把握し,支援する小児保健・医療体制を構築することが求められています。心理的・社会的な課題は当然のことながら子どもの家庭(養育者),親戚,地域社会,保育所や学校などと深い関係にあります。米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)は1990 年代から子どもと家族をbiopsychosocial に捉え,支援することを目指した健診体制Bright Futures を構築しています。3 歳から21 歳まで年1 回,かかりつけ医で30 分間ほど子どもが受ける健診(Health Supervision)では,身体的な診察や予防接種だけでなく,子どもの社会生活や悩みにまで立ち入り,適切な指導をすることを主眼にしています。米国の小児科医は子どもに寄り添い,いざというときにアドバイスする伴走者の役割も担っています。しかも,健康保険が健診の費用をカバーする仕組みになっています。
 本書には,子どもをpsychosocial に捉え・支援するために日常診療の現場で利用でき参考となる情報があふれています。本書の目指す「子どものためのサイコソーシャルアプローチ」はわが国のこれまでの小児医学の教育にはなかった重要な視点であり,今後のわが国の小児保健・医療を大きく変革しうるものです。小児保健・医療の関係者に本書が大いに利用されることを願っています。
2020 年4 月
国立成育医療研究センター理事長
五十嵐 隆

目次

序文

イントロダクション
1.なぜ,サイコソーシャルアプローチが必要なのか
2.子どもアドボケイトという視点

それぞれの月齢・年齢への「ことばかけ」
ことばかけの目的・たずね方・基本のことばかけ
妊娠期
1か月
2か月
3か月
4か月
5か月
6か月
7か月
8か月
9か月
10か月
11か月
12か月
15か月
18か月
2歳
3歳
4歳
5歳
6歳
小学校1年生
小学校2年生
小学校3年生
小学校4年生
小学校5年生
小学校6年生
中学校1年生
中学校2年生
中学校3年生
16歳
17歳
18歳
19歳
20歳
21歳
用語解説と補足

アドバンス編~もっとくわしく知りたい方へ
1.子どもの発達
コラム【1か月】おしゃぶり
コラム【6〜7か月】歯と発熱
コラム【12か月~4歳】かんしゃく
コラム【18か月〜】タイムアウト(Time-out)の具体的な実行方法と注意点
コラム【幼児期】赤ちゃん返り
コラム【9か月以降】睡眠の発達と「夜泣き」
2.親としての成長
3.家族の成長
4.夫婦としての成長
5.子どもの健康に影響を及ぼす社会的要因
コラム 性犯罪被害を予防するために〜NO! GO! TELL!

索引

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