序 文
目 次
第1章 FSGSの疾患概念形成と最新の病因分類
1.リポイドネフローゼからFSGS提唱までの経緯
サイドメモ:①リポイドネフローゼ
サイドメモ:②剖検腎(小児ネフローゼ患者の生命予後)
サイドメモ:③国際小児腎臓病研究班(ISKDC)
サイドメモ:④経皮的腎生検の導入
サイドメモ:⑤FGSとFSGS
2.FSGSを惹起する液性因子
1.腎移植後FSGS再発と液性因子仮説の報告
サイドメモ:①Milestones in Nephrologyに選出
2.腎移植後FSGS再発に対する血漿交換療法
サイドメモ:②血漿交換療法(Plasmapheresis)
3.自施設で初めて経験した腎移植後のFSGS再発症例
4.液性因子仮説に対するヒトでの証左
3.FSGSを惹起する二次性病因
1.ウイルス
2.薬剤
3.糸球体高血圧・糸球体過剰濾過を生ずる疾患
4.FSGSを惹起する遺伝的病因
1.家族性FSGS症例の集積と遺伝学的解析
2.常染色体潜性遺伝形式をとる家族性FSGSの解析と遺伝子の同定
3.常染色体顕性遺伝形式をとる家族性FSGSの解析と遺伝子の同定
4.孤発性FSGS(sporadic FSGS)とNPHS2遺伝子異常
5.腎外症状を伴うFSGS(syndromic FSGS)と遺伝子異常
6.遺伝性FSGS研究に関する2000年初め以降の動向
5.FSGSの病因分類
第2章 FSGSの病態
1.一次性FSGSと液性因子
1.CLCF1
2.suPAR
3.抗CD40抗体
4.sCD40L
5.CASK
6.抗ネフリン抗体
サイドメモ:①一次性FSGS/MCDと自己抗体
2.腎移植後FSGS再発例の血漿によるポドサイト傷害・障害
1.ネフリン
2.インテグリン結合キナーゼ(integrin-linked kinase:ILK)
3.血管拡張因子刺激リン酸化タンパク質(vasodilator stimulated phosphoprotein:VASP)
4.TNF α(tumor necrosis factor-α)パスウェイ
サイドメモ:①培養ポドサイト
サイドメモ:②プロテアーゼとhemopexin(ヘモペキシン)
3.一次性FSGS/MCDと免疫細胞およびポドサイト
1.T細胞
2.樹状細胞
3.B細胞
4.ポドサイト
サイドメモ:①ゲノムワイド関連解析(genome wide association study:
GWAS)と疾患感受性遺伝子
4.遺伝性FSGSの原因遺伝子
1.原因遺伝子と機能的分類
2.原因遺伝子と腎外症状,腎外症状を伴う症候群・疾患
3.原因遺伝子や病的バリアントの人種や国による違い
4.原因遺伝子の病的バリアント検出率の年齢による違い
5.成人FSGS/SRNSの原因遺伝子
第3章 FSGSの病理
1.Columbia分類
1.Columbia分類提唱までの経緯
2.Columbia分類の定義
2.Cellular lesion(CELL)
1.CELLの病理像
2.CELLとcollapsing glomerulopathyの異同
3.CELLの臨床像
4.CELLのマクロファージ浸潤とメサンギウム細胞活性化
5.増生した糸球体上皮細胞:糸球体壁側上皮細胞(PECs)の可能性
3.Mitotic catastrophe
1.ポドサイトの剝離・脱落と糸球体硬化
2.さまざまな傷害因子によるポドサイト障害
3.尿中ポドサイト
4.一次性FSGSとmitotic catastrophe
4.Foot process effacement(FPE)
1.FPEの定量的評価
2.FPE定量的評価の臨床応用
5.IgGの沈着
6.Lipid-induced glomerular injury
1.マクロファージ
2.腎糸球体内脂質沈着
第4章 FSGSの診断
1.FSGSの病因分類と臨床病理像
2.二次性FSGSの診断
3.一次性FSGSと遺伝性FSGSの鑑別
4.一次性FSGSを示唆する臨床病理所見
5.FSGS/SRNSの原因遺伝子検索の適応
第5章 FSGSの治療
1.FSGSの病因分類に応じた治療
2.FSGS/SRNSの診断と治療
1.小児特発性ネフローゼ症候群と免疫抑制薬(歴史的動向)
2.小児特発性ネフローゼ症候群の治療反応性,免疫抑制薬の適応,治療経過
サイドメモ:①免疫抑制薬の選択
3.FSGS/SRNSに対する治療
3.難治性FSGS/SRNS(腎移植後再発を含む)に対するアフェレシス
1.LDL吸着療法
サイドメモ:①LDL吸着療法
2.血漿交換療法
サイドメモ:①血漿交換療法
3.免疫吸着療法
サイドメモ:①protein A
サイドメモ:②免疫グロブリン吸着カラム
4.一次性FSGS/SRNSと難治性FSGS/SRNSに対する免疫抑制薬
1.ステロイドパルス療法
2.カルシニューリン阻害薬
3.ミコフェノール酸モフェチル
4.リツキシマブ
5.オファツムマブ
6.アバタセプト
7.アダリムマブ
8.フレソリムマブ
5.抗ネフリン抗体陽性難治性FSGS例に対する治療
1.抗ネフリン抗体の除去
2.抗ネフリン抗体の産生抑制
3.超難治性腎移植後FSGS再発例に対する新規薬剤
索 引
おわりに