腎疾患を発症させない予防医学，また腎疾患を腎不全に至らせない初期治療のみでは不十分で，腎不全を透析に至らせない保存期治療も戦略的に重要であるとの必要性から本書は企画された。保存療法に大きな位置を占める食事療法については基確理論から実際の食事指導まで，また病態別，疾患別でも主要な項目を網羅した。

1．腎不全とは何か(定義，進行機序)

丸茂文昭
2．窒素代謝の基礎

鈴木好夫
3．腎不全における窒素代謝 鈴木好夫
4．食事療法の実際

小林君枝
5．腎機能検査および腎機能の評価

堀尾　勝・福永　惠・折田義正
6．腎不全の栄養アセスメント　

海津嘉蔵
7．進行性腎障害への食事療法の効果

椎貝達夫
8．腎不全と薬物の用法・用量

松田　治
9．降圧療法

安達政隆・冨田公夫
10．タンパク尿と腎不全進行

椎貝達夫
11．高脂血症の治療

大和田章
12．貧血の治療

秋澤忠男
13．副甲状腺機能亢進症の治療

秋葉　隆
14．吸着薬療法の実際

丹羽利充
15．アシドーシス，高カリウム血症，その他の治療

鈴木好夫
16．アミノ酸製剤の使い方

佐中　孜
17．腎不全の生活指導

金　成洙・御手洗哲也
18．ネフローゼの治療

鈴木裕通・小山哲夫・小林正貴
19．糖尿病性腎症の治療 中尾俊之
20．多発性嚢胞腎の治療

椎貝達夫
21．腎疾患と妊娠

横田直子・出浦照國
22．小児腎不全の治療

伊藤克己・服部元史
23．高齢者腎不全の治療

石村栄治・三木隆己
24．腎不全の進展機序